2025/08/05 14:42

リスニングをあなたの片耳だけで聞き取らないといけないとしたら

日本語教育、語学で大事な学習の1つ、リスニング。もしリスニングをあなたの片耳だけで聞き取らないといけないとしたら。

聴覚のハンディキャップ、今日はあえて両耳ではなく片耳のみ聞こえない場合に注目しましょう。

日常生活ではなまじっか聞き取れてしまうことがあるため、大変さがかえって理解されにくいからです。障害者手帳も取得困難です。わたしは正直、この動画を拝見するまでは、理解しにくいどころか想像したこともありませんでした。



ざっと、動画を参考に、片耳難聴で大変なことを文字化しました。

(左耳が難聴とのことです)

・パチンコ屋や室内の反響音はつらい→野外ライブはok。ライブハウスや映画館はつらいので、音楽好きには選択肢が少なくなってしまう

・電話は利き手でメモ、左手で受話器

聞こない方の耳に近すぎると聞こえない→車の助手席はok

聞こえない方の耳の耳鳴り→耳栓しても耳鳴りから逃げられない

・音の発信源がわからない、音の立体感がない(どこから音がするかわからない) →片耳難聴だからこその感覚。音がしたら車のミラーは必ず確認

片耳だけで聞こうとするからリスニングでは体力気力を大変消耗する

・見る方向と、聞こえる耳で聞くことの兼ね合いが大変(現場作業)

・席を考えないといけない (聞こえる耳がしゃべる人を向くように)

無視されてると誤解される

・片耳では聞こえるため大変さが伝わりにくい

・朝起きる時、聞こえる耳を枕に当てていたら目覚まし時計が鳴っても聞こえない



日本語教育に片耳難聴を役立てる工夫

この片耳難聴解説者 駿河守静太郎さん(現役日本語教師&ボランティア)はポジティブ。ご自身の大変さがあるからこそ、日本語教育で工夫していらっしゃいます。

・聞き取りやすさを意識して話す(文末をしっかり話す。声は大きいだけはなく、ゆっくりはっきりが大切。日本語はハッキリ発音されないことが日常会話で多いから特に気をつけたい) 

・聞くことを大切にしている(学習者さんとのやりとりで大切ですし、真剣に聞こうという気持ちが話し手に伝わることは大切)

この動画は駿河守静太郎さんが中学時代の日記をもとにして、やさしい日本語&英語で片耳難聴を語ってくれています。ゆっくりはっきり、聞き取りやすいです。



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終わりに

リスニングだけでなく、日常生活で大変、かつ理解されにくい片耳難聴。日本語教師としてこのテーマを複数回語っている駿河守静太郎さんから学べる、日本語教育で重要なテーマがあります。

日本語教師のあなたとしては、当たり前すぎることとは思いますが...

・自分とは違う立場を想像し、さらに当事者から教えてもらう。


また、日本語教育とはまた別に、駿河守静太郎さんが大切にされていることで、わたしがこれは大切だと思ったことがあります。

・相手になくて自分にはある状況は、当事者として、相手は想像したことがないことを前提に、伝える。

いかがでしょうか?片耳難聴について興味を持っていただいたら嬉しいです。



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補足1

片耳難聴で大変なことについては、これもわかりやすいです。

https://kikoiro.com/questionnaire-results/

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補足2

ゆっくりハッキリ話し、相手の言葉にしっかり耳を傾けている、日本語教師 駿河守静太郎さん作成

やさしい日本語 日常会話集 あります!