2021/05/06 11:53
JLPTではリスニングがありますね。リスニング対策と聞いてまっ先に思いうかべるのは、
・CDやmp3音声を繰り返し聞いて、日本語独特の音声に耳を慣れさせる
かと思います。
かつてわたしが日本語教師だった頃、在籍していた日本語学校から「リスニングの時間が圧倒的に足りないから、時間が余ったらリスニングをやって」と言われていたものです。
さて、先ほどのリスニング対策には落とし穴があります。それは
・どんなに微妙な音の違いを耳がキャッチできても、音が何の言葉を指すのかわからないと(顕在的な)記憶に残らない
つまり、
・リスニングの答えのカギになるフレーズや語彙は、あらかじめ知っていないと耳に入ってこない
ということです。
日本語教師のあなたなら「そんなの今さら言うまでもない」と思うことでしょう。
あらかしめ知っているフレーズや語彙しか耳は受けつけない。
ここでちょっと考えてみましょう。
あらかじめ「知っている」とは次の3つのうちどれでしょう?
リスニングでフレーズが流れたら、意味が
①1秒以内にわかる
②3秒でわかる
③10秒でわかる
正解は①ですね!
「③10秒でわかる」は、筆記やマーク問題ならむしろ速いですよね。試験当日なかなか思い出せない日本語があっても、10秒で思い出せるなら問題ないですね。
「②3秒でわかる」は、一見十分速いように思えます。ただ、リスニングでは少々事情が変わってきます。「あれ、このフレーズなんだっけ?」と悩んでいる間に、音声がどんどん進んでしまいます。
そこで「①1秒以内にわかる」必要が出てくるんですね。
クイズもどきはこのへんにして、今度はあなたの日本語学校で文型を練習している場面を思いうかべてください。
例えば穴埋め問題を出したとき、学生さんの答えかたはどんなかんじですか?
見た瞬間、即答する学生さん。(そういう学生さんに限って99.9%正解してる...)
あなたの合図の一呼吸後で答える学生さん。(これが普通ですね)
3秒くらい悩んで答える学生さん(ちゃんと考えてくれてるので正解はします)
同じ正解でも、答えるまでの速さにかなり個人差があります。
もしこの差が、JLPTのリスニングでの正解率の差になったら・・・そんなのイヤですね。
時間の制約や学生さんのモチベーションもあるので、秒で即答できるまで練習というのはなかなか厳しいものがありますが、ぼんやりと覚えていただけたら嬉しいです。
そして、何度も繰り返し練習するときは、同じフラッシュカードをめくったり、何回も絵カードを貼っては剥がしたり、というのが大変ですね。時間のロスにもなってしまいます。
こちらの教材やフラッシュカードなら、PowerPointですので、ワンクリックで次に進めます。
日本語学校で文型練習をスムーズに進めたいときはぜひ、チェックしてみてくださいね。
PowerPoint練習用スライド
PowerPoint版フラッシュカード。iPhone・iPadで使えるkeynote版もあります。