2021/05/05 16:09

前回に引き続き、「日本語教師のネコの手」での教材提供者の一人、静太郎様から、「オンラインを活用した日本語レッスンの始め方」をテーマにご寄稿いただいております。お楽しみいただけたら幸いです。

 静太郎さまには日本語初級後半を担当する日本語教師の方々に好評、「自動詞他動詞はこれで完ぺき!セット」を始め、実生活に根差した日本語教育教材を作成いただいております。

 

 

---

 

今回、私のオンラインレッスンの2つめの方法、15分間の日本語レッスン動画作成およびYouTubeについてお話ししていきます。

まず、15分としている理由ですが、15分ならば、日々、忙しく過ごしている外国人の皆様でもなんとか時間を見つけて観てもらえるのでは思いました。また、私自身も15分のレッスン動画作成ならば、負担が少なくできると思いました。

 

 

最初にお話しした会話レッスン(前回の記事:Facebook messenger Video 通話 を使った 会話を中心としたオンラインレッスン)では、事前準備をあえてしないで、レッスンに臨んでいましたが、15分のレッスン動画作成には、入念に準備して臨むようにしていました。レッスンの計画書を作成し、15分の中で、何をどのように教えるのか、できるだけ事細かく考えて、レッスン動画作成していました。養成講座で使用したテキストの関連項目を読みました。インターネットで他の先生方がどのように教えていらっしゃるのか情報収集しました。ホワイトボードを使う時は、レッスン前に、ホワイトボードへの板書をして置きました。

 

 

レッスンは、その内容が、生徒さんにとって身近なもの感じてもらえるようにしました。生徒さんの日本での生活の様子を想像し、レッスン内容が、生徒さんの日々の暮らしに沿ったものになるようにしました。15分間のレッスン動画の撮影はデジタルカメラに向かって行います。撮影中に生徒さんとのコミュニケーションはありません。だからリアクションが返ってきません。だから、少しやりづらさも感じました。15分間のレッスン動画撮影は、やはり、入念な事前準備が大切です。

準備中、レッスン計画書を作る時、動画を見てくれる生徒さんはどんな反応をするだろうかと一生懸命想像します。思いを巡らせます。私は教育学部 初等教育課程を卒業しました。 教育学部在学中に、たくさん指導案を作成しました。その時の経験が、15分のレッスン動画撮影に活きているように思います。

 

 

15分のレッスン動画撮影中は、生徒さんからの反応がわからないのですが、でも、YouTube 公開後に、観てくれた生徒さんが、感想を教えてくれることがあります。それが、本当に嬉しくて大きな励みになっています。その時に寄せられた感想を、次回のレッスン動画撮影に活かしています。

15分のレッスン動画撮影で気を付けていることは、会話レッスンと共通するのですが、

1.  ゆっくり、はっきり、丁寧に話すこと

2.やさしい日本語を使うことです。 私の日本語レッスン動画を、ふつうの日本人が見ると、ゆっくり過ぎる話し方にイライラしてしまうと思います。でも、初級日本語学習者にも、観てもらえるように、意識して、ゆっくり、はっきり、丁寧にお話ししています。

 

 

前回の記事で、生徒さんにとって、助詞の使い方が難しいとお話ししましたが、非漢字圏からの生徒さんにとって漢字も大変難しいそうです。今、私は、漢字のやさしい覚え方のレッスン動画の作成を企画しています。漢字を思い浮かべやすいような、印象深い説明を考えています。インパクトが大切だと思います。日本の小学校で学習する1026字について、やさしい覚え方のレッスン動画を作成したいと思っています。1026字を完全に習得できれば、日本での生活で、漢字で不自由を感じることはほとんどなくなると思います。

 漢字の特徴は、音読みと訓読みがあり、その音読み、訓読みにも複数の読み方があること、複数の意味がある漢字があることです。 それらを、やさしく、解説する漢字レッスン動画作成が今の目標です。

---

 

静太郎様、2回にわたるご寄稿ありがとうございました。

静太郎様の日本語教育Youtubeこちらです!日本語学習者からの投稿もされています。